日本のマンガ状況


 

日本人のマンガ好きが国民のほぼ3人に1人にのぼることが毎日新聞の調査でわかりました。(2000年10月26日付け朝刊)マンガおよびマンガ雑誌の売上は5,860億円で、全出版物にしめる発行部数の割合は36.8%におよびます。(99年度出版科学研究所)  

■日本人のマンガ好き

出版不況に伴い、マンガの発行部数および売上は95年をピークに前年割れが続いていますが、コンテンツとしてのマンガはゲームやアニメをはじめとするメディアとクロスオーバーしながら成長を続けています。

■作品形態の多様性

作品は、大きな発行部数を誇る商業誌で長期連載されるメジャー系を筆頭に、小規模あるいはマニア向け雑誌に掲載されるマイナー系、広報や宣伝広告等の目的で発行される作品、さらにアマチュアの作品に大別されます。 月刊誌や週刊誌全体で年間270〜280銘柄の商業誌が流通しています。そのなかで発行部数が100万部を超えるものが14誌存在しています。商業誌は読者対象を年齢および男女別に分け、きめ細かい誌面づくりを展開しています。 一方、全国には10万を超えるアマチュアサークルが存在するといわれています。こうしたサークルは商業誌の枠にとらわれない自由な活動を行っています。アマチュアサークルのコンベンションを代表する「コミケット」は東京で夏・冬の年2回開催され、98年冬には38万人の参加者を集めました。

■コンテンツの多様性

マンガには、ストーリーを中心にギャグや劇画、風刺や不条理にいたるまで幅広いスタイルがあります。いまやマンガで表現できないジャンルは無いと言われています。娯楽を筆頭に、広報や宣伝広告等の分野で想像できうるすべての領域(政治、経済、教育、宗教、科学、歴史、文学、芸術、スポーツ、産業、外国語、医療・福祉、癒し、哲学、ホラー、ギャンブル、グルメ等)をカバーしています。

■応用範囲の多様性

週刊誌で長期連載された作品は単行本に集積され、十分な人気があればテレビアニメや劇場映画で放映されます。さらにゲームやおもちゃ、キャラクターグッズへと応用範囲が広がるとビジネスとしての規模は限りなく広がります。ポケットモンスターはこの展開によって1兆円の市場をつくりました。

 
年齢や男女を問わず、幅広い人々の支持を受けるマンガは、娯楽作品以外でもさまざまな領域で活用されています。その代表がコミュニケーションツールです。企業や官公庁、地方自治体、団体等がマンガを用いた各種媒体を発行しています。年齢や男女を問わず、幅広い人々の支持を受けるマンガは、娯楽作品以外でもさまざまな領域で活用されています。その代表がコミュニケーションツールです。企業や官公庁、地方自治体、団体等がマンガを用いた各種媒体を発行しています。

さらにマンガは地域の文化資産として認知されつつあります。これを象徴するのが美術館や公立図書館の設立です。現在、マンガ美術館は全国に14館が存在し、2館が準備中です。さらに、地域活性化に役立たせようという動きは、マンガの文化施設だけでなく、まちづくりやイベントなど住民を巻き込んだ動きに広がっています。