21世紀の社会システムをデザインする「ユニバーサルデザイン・コンソーシウム」  
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ユニバーサルデザインとは?
 
2.ユニバーサルデザインの事例と動向
 
#54 UDプロダクトと流通
 
 作り手とユーザーをつなぐコミュニケーション―
 
#54   UDプロダクトと流通
#54 1 江戸木箸 ―大黒屋―
#54 2 ひのきのはきもの ―ひびのこづえ×和工房みずとり―
#54 3 Kontex ―近藤繊維工業―
#54 4 フレンズ・フォーエバー ―HOGRI―
#54 5 TO:CA ―I.D.E.A International―
#54 6 三川内焼き ―平戸洸祥団右ェ門窯―
#54 7 帆布バッグ ―シライデザイン―
#54 8 「地方の力と使い手を結ぶユニバーサルな流通の仕組みが必要」  
                                  ―益田文和氏―
TO:CA  ―I.D.E.A International―
 
 
クリエイターの発想が光る感性のユニバーサルデザイン
自然素材とLEDの融合
 

 「おや、何だろう?」木製デジタル時計の前で思わず足を止めて見入ってしまう。オレンジ色の時刻表示に釘付けになる。何かで投影しているのか と周囲を見回す。そしてLEDの光を木に透過させていることに気づく。なんとも形容しがたい光だ。これと同じような体験をしたことを思い出す。教会を神秘的な空気で満たすステンドグラスの光だ。信者を宗教的な恍惚感に誘う。

 TO:CAの光はもちろん、宗教的な意味や物語性をもたない。単なる記号である。時刻が淡々とデジタル表示されていく。しかし、暖かい。神秘的ともいえる木の温もりを伝えてくれている。

 ステンドグラスの光は恣意的だが、TO:CAのそれに作為は感じられない。むしろ、自然素材の偶然性に委ねている。日本の伝統的なアプローチだ。相通じるものに障子がある。和紙に光を透過させ、曖昧で落ち着いた空間づくりをおこなう。建具でありながら 、光の演出に一役買っている。

 一方のTO:CAは時計でありながら、独特の光でインテリアとしての存在感を放っている。

 
写真:TO:CAの置時計
 
【写真:TO:CAの木製デジタル時計】
 
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クリエイターのオリジナリティを生かす「TAKUMIプロジェクト」
 

 時計、光、インテリア・・・境界を超越したTO:CAは、「TAKUMIプロジェクト」の第一弾として生まれた。プロデュースはI.D.E.A International。美しく新しいライフスタイルのプロダクト提案を方 針に、時計、文具、家電、雑貨などの企画・販売をおこなっている。「マーケティングよりもクリエーターの発想を第一に考えました」と語るのは同社の商品企画プロデューサー、五十嵐洋氏。も のづくりの過程で大勢の声を入れると焦点がずれる。デザイナーのオリジナリティを純粋に商品化することを心がけたという。

 デザイナーは岩崎広治氏。2002年、TO:CAのプロトタイプ となる木製デジタル時計を国際家具デザインフェア旭川に出品。ブロンズレリーフ賞を受賞し、注目を集めた。時計よりもインテリアの一部をつくるという発想でTO:CAをデザインしたという。薄 さ0.5ミリのハードメープルの突板にLEDを透過させ時間を浮き立たせた。透過光を際立たせるため、余分なものを徹底的に削ぎ落とした。操作ボタンは後部に集約され、目覚まし機能は無い。 光を消すと、積み木のようにシンプルなかたちになる。家具デザイナーとしての経験が自然素材とデジタルとの融合で実を結んだ。

 そして製作を手がけているのが旭川の匠工芸。質の 高い家具などの木製品で高い評価を得ているクラフトマン集団だ。一点一点手間ひまを惜しまず、納得できるものだけを作り続けている。美しい木肌と継ぎ目がわからない仕上げに確かな技 術がうかがえる。ソリッドでエッジの効いたフォルムはどんなインテリア環境にもマッチする。

 「TAKUMI」はこうしたクリエーターの発想とクラフトマンの技術をコラボレートしたプロダクトレーベル である。現在、TO:CAをはじめ、6製品をラインナップ。クリエーターの立場から「あったらいいな」と思うものをイメージしている。似たようなデザインが氾濫する日本の市場において、高い技術とデ ザイン性を組み合わせた「新しい発想」、「新しい感覚」のプロダクトを世界に向けて発信している。

 プロダクトデザインは機能だけではない。人々の視線を集め、使ってみたいと思わせ る魅力が不可欠だ。つまり感性への訴求である。ユニバーサルデザインは機能が重視されがちだが、それだけではユーザーの購買意欲に結びつかない。TO:CAは、感性のユニバーサルデザイ ンに光明をもたらしてくれた。

 
写真:   写真:
 
【写真右:ウッドクロックTO:CA typeT  写真左:ウッドクロックTO:CA typeU  薄さ0.5ミリのハードメープルの突板にLEDを透過。余分なものを徹底的に削り落したデザインで透過光を際立たせている】
 
写真:TAKUMIプロジェクトのロゴ
 
【写真:TAKUMIの由来は「多組」。さまざまなフィールドで活躍する人々と組むコラボレーション・スタイルを意味する】
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